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欅(ケヤキ)(2016年5月13日)

◆ 新緑のまぶしい季節。樹木ブログのトップバッターは何と言ってもケヤキだもんね。ニレ科ケヤキ属の落葉樹。長生きで知られていて、巨木になって300年を越すものも、500年を越すものもあるんだよ。武蔵野といえばコレというほどの代表的な樹木でICUにもいっぱい大きな木があるよね。ん? 意識したことない? いけんのう。ほれ、ふちがギザギザで魚の骨みたいな葉脈のある小さい葉っぱじゃし。初夏には風を受けて爽やかに揺れ、秋には黄金の雨となって降り注ぎ、あたりの地面を埋め尽くすヤツよ。けやき通りとか、けやき幼稚園とか、NGOけやき、なんてアチコチで名前が使われちゃってる。ICUの学生寮にもケヤキ寮があるんだけど、という漢字表記にしちゃったもんだから、難しくて読めない人が続出。「えぇ~と、タスキ寮はどちらですか?」とか訊かれたりして。ていうか、が読めるのになんで… 学内でケヤキの大木が一番多く見られるのは、たぶんマクリーン通りからILCへと斜めに抜ける道だな。あそこは三軒家道(サンゲンヤミチ)って呼ばれる古い街道で、図書館の中で確かめられる限りでは明治13~15(1880-1882)年にはすでにあったみたい。ケヤキもその頃からあったかのかも。この道からは少し外れてるけど、ERBのすぐ西側に立ってる一本は、確実に100年超えでしょ。100年前というと夏目漱石が迫りくる最期を前に『明暗』を執筆し、ロシア宮廷ではラスプーチンがイケイケに暗躍していたころからあったのか。そう思うと感慨深いな。

◆ 巨木となったケヤキはすぐに見分けることができます。樹皮が根本の方から大きくうろこ状に剥がれ落ちてまだら模様に見えるからです。林の中にあって苔むしたケヤキの老木は中々風格があってよいもの。

◆ ところで樹形についてなんだけど、ケヤキの木を街路樹でしか見たことない人は、きっと竹箒を逆さに立てたような樹形と思ってない? まあ、それも仕方がない。ていうのは、街道沿いなんかだと枝が伸びてきて邪魔になると通行と安全を確保するために、枝を毎年のようにバッサバッサと切り落としてしまうんだよ。えらい勿体無いアンド無粋な事すると思うけど、まあ秋に無限大とも言っていいほどの数の落葉を撒き散らかすから、それを回避したい気持ちも分からんことないよ。分からんことないけど、やっぱマヌケというか、そんなんなら最初から植えねばよいが。本来(周りに障害物のない広い環境)の樹形はブロッコリのように枝が大きく垂れ下がったものになるんだな。バカ山の花道の左右に生えているヤツは大きな剪定をしていないから、本来の樹形を見ることができるよ。落木の危険性があるのかもしれんけど、できりゃあこのままずっと伸ばさしてやりんちゃいや。

◆ ケヤキは古くから建築や家具の材として多用されてきたんだ。大木が必要になる柱とか梁とかは言うにオヨばす、材の美しい縞模様は箪笥から煙草盆にいたるまで、生活のアチャコチャで大活躍しています。先日行った谷中の朝倉彫塑館(あさくらちょうそかん)。日本を代表する彫刻家朝倉文夫のアトリエと住居だった建物で昭和10(1935)年に完成した、粋と贅の尽くされた名建築なんだけど、ここの床の間も5mを超えるといわれる巨大なケヤキの一枚板が使われており、シンプルにして最大限のアピールをしてた。何ッ? 床の間がなんだか分からない!? うーん、マンダム。

◆ 次回は同じニレ科の兄弟分、ムクノキについて書く。書こうかな。書くでしょう。書くかもしれない。たぶん…

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