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植込みの乙女たち1 美容柳(ビヨウヤナギ)と金糸梅(キンシバイ)(2016年6月10日)

◆ ぼちぼちと花の話をせにゃいけんような気がしてきたんじゃけ。だって葉っぱとか幹とか興味ないんだよな、みんな。しかたないから書きますよ。花について。

◆ そもそも花、花といってるけど、ハッキリした定義は確定してないらしい。Wikipediaで調べていただければ分かるが、最近の大勢は「胚珠のある生殖器官(被子植物と裸子植物)」らしい… んー、ゴメン。分かんねぇや。まあ、一般的には植物の体の中で、葉や枝・幹・つるとは大きく異なる(多くは動物・昆虫の審美眼に訴えてくる)花弁またはそれらしきものを付随した部分とでも言ったほうが分かりやすい。辞書で調べてみた。

◆ そんで、今回は植込み特集その1です。個人住宅にも、公園/庭園にも、道路沿いにも、大学や病院ほか施設にもいっぱいあるのが植込みです。植込みっていうとまあ高さ50cmから1mちょっとくらい、それ以上だと生垣と呼ばれたり、道路ぞいのものは街路樹として認識されると思う。植込みの効果を大別すると3つ。庭や公共スペースなどを区切るゾーニング効果、池や道路など危険箇所から人をシャットアウトするバリア効果、建物周りなどの概観を飾る縁取り効果なんではないかな? そして植込みや生垣に要求される性質としては、ある程度小さい葉が(間延びせずに)たくさん茂ること。葉や枝をばっさりと強剪定しても負けじとまた出てくること。徒長枝(無駄に太い枝)が出ない事。害虫に強いこと。植替えに強いこと。風に強いこと。乾燥に強いこと。日陰でも育つこと。排気ガスや酸性雨に強いこと。見た目が(それなりに)美しいこと… などなど。

◆ ICUのキャンパス内の植込みオールキャストといえば、ツツジ(サツキ)、ドウダンツツジ、トウネズミモチ、マサキ、サザンカ、ヒサカキ、イヌツゲ、マメツゲ、イブキ、キャラボク、アベリア、ハクチョウゲ、シルバープリペット。あとはヒイラギとハマヒサカキくらいか。一部、寮の周りではアジサイ、タニウツギ、ソヨゴ、ヤツデなんかが植えられているけど、葉や枝が隙間だらけだったり、茎がヘナヘナだったり、オシャレかもしれないが植込みとしては頼りない感じがするね。

◆ あと変わったところではチャノキがある。皆が飲んでるあのお茶の木、意外かもしれないけど、植込み・生垣用の植物としては結構ポピュラーなんだな。ICUでは本部等ウラと三軒家道に挟まれた一帯に多い。それはここにかつて日本橋のお金持ちが築いた森山荘という別荘があったせいで、今はお隣の富士重工の敷地の中に移築されているが… まあこの話はまた今度。

◆ 今回ご紹介するのは、まあ見た目がそっくりで姉妹といってもいい二人。ビヨウヤナギさん、アーンド、キンシバイさんです。上下の写真(いずれもキャンパス内のもの)を見ていただければ、その類似性がお分かりいただけるとぞ思ひける。樹形も葉っぱもそっくりじゃありませんか。まあ、花は上の姉のビヨウヤナギ方がスリムで端正ないでたちなのに対し、下の妹のキンシバイの方は無邪気で能天気な感じのするルックスか? でも意識して見ている人じゃないと、二人の違いに気づいてないんじゃないかな。ククノッチ的にはいずれもそんなにタイプじゃないんだけど、姉の方が慎みがあっていいかな。

◆ 調べてみたらいずれもオトギリソウ科とのこと。まてよ、オトギリソウてのは知らんな。検索してみると、うーん、これか。やっぱタイプじゃない。ゴメン。でも、細い枝が密生する柔らかな樹形と葉は建造物の縁取りには最適かもしれない。事実これらの写真も建物周りを飾っているものです。植込み植物も適材適所ということだね。

◆ ところで気になっていたのはビヨウヤナギの名前。美容柳だから容姿の美しい柳のような植物ということなんだろうけど、「美容」という熟語は美容院、美容液などを想起しちゃうし、そんなに昔からあったとは思えない。植物名としては違和感がある。Wikipediaによれば、玄宗皇帝と楊貴妃のエピソードを詠った中国唐の詩人白居易の『長恨歌』の中に「歸來池苑皆依舊、太液芙蓉未央柳 - 帰ってきてみれば池も庭もみな元のままで、太液池の芙蓉も未央宮の柳も変わりないのである。」の一節がある。「玄宗皇帝が楊貴妃と過ごした地を訪れて、太液の池の蓮花を楊貴妃の顔に、未央宮殿の柳を楊貴妃の眉に喩えて 未央柳の情景を詠んだ一節があり、美しい花と柳に似た葉を持つ木を、この故事になぞらえて未央柳と呼ぶようになったといわれている。」だって。もとはビオウヤナギ、未央は美容とは関係なくて、もともとは玄宗皇帝らが住んでいた長安の宮殿の名前だったんだ。

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