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白樫(シラカシ)(2016年6月17日)

◆ 今日は白樫(シラカシ)です。(シラカバではありません。)ICUのキャンパス内を歩いてみるとシラカシが「もうヤメテ」ってくらいそこいらじゅうに生えてます。関東平野ではそのくらいたいへんポピュラーな樹木とされているんだけど、実は木材や薪(たきぎ)用に植林によって人為的に増やされたという説もあります。そしてシラカシにはドングリができます。

◆ えーと、ここで「ドングリ」というものについてあまり正確なところをご存じない方に一齣させていただきますと、ドングリの木という名前の木はないんです。ドングリとはシラカシ、アラカシ、アカガシ、マテバシイ、スダジイ、ツブラジイ、コナラ、クヌギ、クリなどの木(すべてICUのキャンパスに生えています)に生る「堅果(けんか)」です。この人たちみんなドングリブラザーズです。で、堅「果」っていうくらいだから、まあ広く言っていちおう果実です。ああ、確かにクリは食べられるよね。おいしいよね… ?

◆ んんー。ちょーっと待ったー! 確かにクリは食べるけど、柿やリンゴとは食感があまりに違いすぎ、ていうか食べてる部分が違うんじゃないの? ハイッ、あなた。正解です。実は我々が果物や実として食している部分は植物によってまちまちなんですな。リンゴとミカンとカキとクリ、食べてる部分はみんな違います。この4つの中ではカキが一番普通というかいわゆる「果皮(その中でも中果皮と内果皮)」と呼ばれる部分を食べてるのね。リンゴはどうかというと「花托」っていう花を支えている部分が超肥大しちゃったところを食べてるのね。ミカンに至っては毛に果汁が詰まった「砂瓤(さじょう)」と呼ばれるところを食べてます。アレ、毛ですよ、毛。そしてクリは「子葉」っていう将来葉っぱになるところを食べてるのです。一般にドングリと呼ばれる堅果ってのは、カキにおいては皮とか果肉と呼ばれる比較的柔らかい部分が、めっちゃ薄くって堅いヨロイのような殻になっちゃう種類の果実なんですわ。

◆ さて、ICUにもたくさんあるシラカシだけど、その特徴はと聞かれるとちょっと困る。なぜかというと、大体においてこういう葉であり樹皮であり枝ぶりであるというのは言えるんだけど、地味に個体差があって、樹齢や枝のつく箇所によって葉の大きさや鋸歯の深さも異なるし、樹皮も成木・老木になるとブツブツになるものが多い中、そんなでもない人もいたりする。あとどうも他の種と交雑して中間種的な人もいたりして結構厄介なのです。

◆ したがってここではごく一般的な一番フツーなもっとも代表的なシラカシさんの特徴について説明します。えーと葉っぱはいわゆるティアドロップ型で先がやや尖るものが多いけど、上の写真のようにそれほどでもなくて紡錘形のものある。大きさは7~8cmくらいのものが多いけど、左の写真のように条件によっては20cmを越えることもあります(これ同じ木の同じ枝から採ったものですよ。まいっちゃうな)今までククノッチが見たことのある最大のものは葉柄の基部から先端までなんと28cmありました。厚さは(主観だけど)大判のPostItくらい。表の色は濃い緑で光沢があります。裏の色は表より薄くて若干粉っぽさのある抹茶アイス的な色。フチにはツー、カクッ、ツー、カクッとなるパターンのにぶくて浅い鋸歯があり、これは葉先に行くに従ってやや密になります。葉脈は主脈は明るて黄色っぽく、表側は葉の根本ではハッキリしているけど、葉先に行くに従って目立たなくなります。裏側の主脈は葉先に近いところまでくっきりとしています。側脈は主脈に比べて控えめで糸のように細いものが両側に10対から13対ほど出ます。左の写真が老成した個体の樹皮のもっとも一般的なものです。主幹全体が細かいブツブツで覆われている感じです。

◆ おそらくICUキャンパスで一番有名なシラカシは教会前芝生の左右にどーんと立っている人たち。20年位前までは礼拝堂の引き立て役としてちょうどいい加減だったけど、その後もすごい勢いでいまやチャペルがよく見えないまでに育っちゃって。ねえ。でも逆に目隠しが欲しい場合には重宝するよ。今建築中の新々二寮の玄関前にも植えられるって噂です。常緑樹だから(落葉樹見たく怒涛のように)葉が落ちない。葉が落ちないから清掃担当者にとってはシシュフォスの神話的に不毛な秋の落ち葉かき作業に煩わされることがない。いいね! 多摩地方には今でも防砂防風日よけなどの目的でシラカシを一列に並植し、壁のように仕立てた民家を見かけます。また、隣家との境界を示す目的でケヤキやシラカシを並植することが多くって、旧道である三軒家道(本部棟ウラの歩道)を左右を注意しながら歩くと、何本もの大きな木が街道に垂直に並んでいるのが確認できます。行って見てちょー。

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