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『バンクス植物図譜』展示開催期間を延長します

好評につき、『バンクス植物図譜』展示開催期間を延長します。予定していた7月14日までの開催期間の後、以下の期間ご覧いただくことができます。

『バンクス植物図譜』展示

今学期、オスマー図書館展示は会期を同じくして湯浅八郎記念館で行われている『バンクス植物図譜~ICU図書館新収蔵資料より』の植物図譜157点のうち14点である。ICU図書館では『バンクス植物図譜』全点収集にむけ購入を続けているが、今回の展示は1995年以降にICU図書館所蔵となった資料のうち、オーストラリア部分の157点である。また展示ケースには1787年の創刊以来、今日までジャーナルとしての確固たる位置を維持し続けている『ボタニカルマガジン』を展示している。見開きにはバンクス植物図譜と関連ある図版を選んでいるが、バンクスの名前が使われている箇所がある点は興味深い。またICU図書館が所蔵する和装本のうち、明治期の植物画も合わせてケース展示する。書物史では植物がモチーフとなった装飾図版の系譜はとても古く、中世彩飾写本以前にまで遡るが、植物画は19世紀初頭から中葉にかけてその技法・スタイルが確立されたとされる。「学術的観点から正確に描写する」といった植物画に課せられたひとつの使命は、写真の普及とともに失われることとなった。そのような写真術が日本にもたらされてまだ間もない時代の植物画、刊行物も合わせて展示することで、今日隆盛するボタニカルアートの源流をも概観できるであろう。

ここで『バンクス植物図譜』がICU図書館所蔵となるまでの来歴を簡単に触れてみたい。Sir Joseph Banks(ジョセフ・バンクス卿)は1768年から3年間にわたるキャプテン・クック第一回世界探検航海に科学班の責任者として同行した。バンクスは当時弱冠25歳の青年であったが、航海では多数の植物標本を収集し、またそのスケッチを英国本国に持ち帰った。まだ写真のなかった時代、植物の様子を正確に伝える手段は写生画による方法しかなかった。これらの学術的記録として残された写生画や標本はバンクスが帰国後、銅版に彫られ、印刷の時期を待っていた。しかしながら、諸般の事情により出版されないまま時が経過し、バンクスの没後、それらの銅版は大英自然史博物館に移管された。その後200年が経過した1980年から90年にかけて銅版から彩色図譜として出版されたものが『バンクス植物図譜』である。こうして『バンクス植物図譜』は1990年に限定100部が印刷されたが、ICU図書館では1990年にその一部(ソシエテ諸島の部分)を購入した。ICU図書館ではそれ以降も順次購入を進め、今回湯浅と図書館で展示されているオーストラリア部分は1995年以降に新収蔵資料となったものである。

『バンクス植物図譜』に用いられた技法

『バンクス植物図譜』の印刷にはスティップル法が用いられた。手彩色も試みられ、すばらしい結果は得られたのだが、高価になってしまうため断念された。スティップル法は、一枚の銅板に線刻ではなく点刻を施すため、多数の色を用いても色が混じり合うことがない。10色から多い時には15色が1枚の版に置かれ、湿らせた紙をのせ、印刷された。一枚ずつインクをのせ、プリントし、次の版を刷るためのクリーニングを行うと3時間はかかったといわれている。すべて同じサイズの紙は『バンクス植物図譜』のためだけに特別に作られた。

ジョセフ・バンクス卿の生涯

1991年12月11日に国際基督教大学図書館で行われた勝見允行名誉教授による公開講演の内容です。

ICU図書館所蔵バンクス関連書籍

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