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古典読解に挑戦!

「古典」と聞いただけで、しかめっ面になる人はいませんか? 古文のクラスで難解な文法を暗記しなければならなかった嫌な思い出が蘇ってしまうのかもしれませんね。それに、本展示の巻物に記された筆書を見てもチンプンカンプンですよね。でも、ちょっとした知識だけで、結構、読めてしまうものなのです。あなたもぜひチャレンジしてみてください。

「かな」とは

真名(まな)という言葉を知っていますか? 本当の名前という意味を持つ言葉ですが、何の事はない、現在私たちが漢字と読んでいるものです。大陸から輸入された真名に対して、日本語の音節を表すために使われ、くずして簡略に表記できるようにしたものが、仮の名前という意味で「仮名(かな)」と呼ばれるようになったのです。当初女性専用であった文字ですが、その流れるような美しさから絵巻物のような美術品においては本領を発揮しました。

今回展示中の巻物の詞書(文章)は、ほぼ全て仮名によるものです。『伊勢物語 第二十七段』に使われている、純粋な意味での漢字は「女」「手」「所」「見」「我」「又」「水」の七文字だけで、あとは全てかなです。今あなたが読んでいるこの文章(漢字仮名交じり文)よりも簡単に読めるかも?

くずし字と字母

漢字はその形の複雑さから、アルファベットと異なり、筆記・速記には向いていません。そのため、続けて滑らかに書けるように草書体(くずし字)と呼ばれる書き方が考案されました。これらのうち、極端に単純化されて、主として日本語の音節を表す(かなとして用いられる)ものが出てきました。ひらがなの誕生です。現在の我々が使っているひらがなは五十文字程度ですが、ここに落ち着く以前は、同じ音を表すのに複数のかなが存在しており、それらは時代により変遷してきました。

たとえば「き」というひらがなは「幾」という漢字の草書体からできたものです。「幾」は「き」の元になった漢字という意味で字母と呼ばれます。「き」の音を表すかなはこれ以外にもいくつかあって、「起」や「支」を字母としてできたものが頻繁に使われていました。

『伊勢物語 第二十七段』を読む

伊勢物語は在原業平(ありわらのなりひら)の半生を、ドラマチックに脚色した創作とされており、全部で百二十五段からなります。展示中のものは第二十七段で「たらひのかげ」とも呼ばれる話。一夜の契りを交わした男が全く来てくれないので嘆きの一首を詠んでいる女に、それをたまたま見た件の男が返歌するというくだりです。

この段に使われている主なかな(表記は現在のかな)とその字母を表にしてみました。オスマー1階展示スペースにもヒントと解答、解説が置いてあります。あなたも読解にチャレンジしてみてください!

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