おまけ2:ラジオ・バー /> 2枚組CD『ラジオの時代』です。東京のどこかの地下にある「ラジオ・バー」。1950年代前半にできたこのバーの、酒瓶が並ぶ棚に置かれた、開店当時からの古いラジオが、"ムーンライト・セレナーデ"を流している。店はハネたところで、オーナーと4人のバーテンダーが、片付けをしながら聴いているうちに、好きだった唄の話になり、軽妙なセリフをはさみ、5人で次々と唄っていく。
ミュージカル『ラジオの時代』は1993年に上演されました。出演は男性コーラス・グループのタイム・ファイブのみ。同志社大学軽音楽部の先輩後輩で1968年に結成した。以来、不動のメンバーで、モンタレー・ジャズ・フェスティバルに日本人ヴォーカルとして初参加、日本ジャズ・ボーカル賞大賞受賞、文化庁芸術選奨文部科学大臣賞受賞などなど、幅広く活動してきた25年を記念したものです。
CDは、セリフを除いて音楽だけを収録している。五つの銅貨などの映画音楽や、イン・ザ・ムードほかのジャズ、また、テネシー・ワルツと云ったポップスも、見事なハーモニーに仕上げています。全部で50曲以上を披露して、アンコール曲は、紅白歌合戦出場時の"星に願いを"。
1998年の結成30年記念アルバムは、"ア・カペラ・ジャパニーズ・スタンダード~「上を向いて歩こう」から「夜空ノムコウ」まで~"という副題どおり、日本の曲ばかりを収めた"Timeless"です。「ひょっこりひょうたん島」も「夢の中へ」も、と盛りだくさんの全11曲を、伴奏なしで絶妙に歌い上げている。
昨2014年11月には、皇居内で催された、天皇皇后両陛下傘寿奉祝音楽会に出演しました。もちろん、メンバー交代などありません。
さて、「ふたぁつふたぁつ」シリーズは回を重ねて22回、おまけも2つ付いたところで、切りよくお仕舞いとさせていただきます。駄文とのお付き合い、本当にありがとうございました。
春宵、ロング・ドリンクのグラスを重ね来て、末広がりの「ふたぁつふたぁつ」にてお開き。
「佐保姫もこんなずんどう酒のびん」 玩亭 (『八十八句』より)