資料を検索するためには、適切なサイトや検索オプションを選ぶ必要があります。
捜しているのはある特定の資料か、あるテーマについての情報か。最新の情報か、学術的にまとめられたものか。どこまで詳しく調べたいのか、いつまでに必要なのか。それらによって適切な検索のツールと方法は異なります。ここではICU図書館の資料、ICU図書館以外の資料、オンラインツールを使った資料の検索方法について説明します。
ICU図書館所蔵の資料を探すにはOPAC（オパック）を使います。特定の資料のタイトルが分かっている場合はタイトル中の単語やフレーズをキーワードとして検索ボックスに入力して[検索]ボタンをクリックします。タイトル以外にも著者名・出版社・出版年・主題（件名）・図書番号などから検索できます。
OPACで目当ての資料が見つかったら、3ケタの数字で始まる請求記号（コールナンバー）をメモしましょう。図書館の棚の本・雑誌はすべて請求記号順に並べられています。請求記号は資料のテーマを番号で表したものですから同じテーマの本が。メモした請求記号を手に棚へさがしに行きましょう。
注1：資料詳細画面の[配架場所]がASRSとなっているものはオスマー館地下のASRS（自動化書庫）に入っています。[出庫指示]ボタンをクリックして、オスマー地階カウンター横の資料棚で受け取ってください。
注2：請求記号の冒頭に下記のアルファベットがついているものは一般の書架とは別の場所に置かれています。
日本で出版される書籍全体のどれくらいがICU図書館に入るかご存知でしょうか？ 現在、国内の出版点数は年間約82,000点。そのうちICUで購入・受入するのは3,400点、約4パーセントです。ひとつの図書館で掬い取れる本の数は非常に限られたものです。自分の設定したテーマについて深く掘り下げ、関連するトピックも含めた幅と奥行きのあるレポート・論文にしたいと思ったら、ぜひICU図書館以外の資料も使ってみてください。ただし、入手（閲覧）するまでに時間がかかり、利用制限がある場合もあります。時間的に余裕をもって取り組みましょう
大学図書館はそれぞれ自館のOPACを持っており、ほとんどが外部からもアクセス可能です。しかしひとつひとつの大学図書館のOPACを検索するのは大変です。
TACOPACを使えば、多摩アカデミックコンソーシアム参加大学の図書館の蔵書をさがすことができます。TAC参加校の学生は互いの図書館を紹介状なしで訪問利用することはもちろん、館外貸出も可能です。またTLL（TAC相互貸出）を利用すれば、借りたい図書をICU図書館に取り寄せることもできます。尚、借りた図書はICU図書館に返却できます。
CiNii Booksを使えば国立情報学研究所に目録データを提供している大学図書館（約1,200館）の所蔵資料を一度にさがすことができます。訪問利用にはICU図書館が発行する紹介状が必要な図書館がありますので、図書館にご確認下さい。資料の一部分であればコピー取り寄せ（有料）が可能です。また、ILL（図書館間貸出）を利用すれば図書の取り寄せもできます（館外貸出は不可）。
さがしているテーマが非学術的なものや、特定の地域に関するものの場合、各自治体の図書館が役に立つことがあります。公共図書館も自館のOPACを持っており、資料の検索が可能ですが、カーリルローカルを使えば各都道府県の公共図書館の資料を横断検索できます。
注1：地誌関係資料、特別資料などはOPACでは検索できないものもあります
注2：居住地・勤務地以外の図書館では利用に制限（貸出不可など）がある場合があります
国立国会図書館（以下NDL）は千代田区永田町にある日本の中央図書館です。国内で発行されたすべての出版物は国立国会図書館法によりNDLに納入することが義務づけられています。したがってNDLのOPACを調べれば、理論的には過去に日本で出版された全ての図書を検索できることになります。探しているテーマに関して、過去にどのような書籍が出版されているのかをチェックするのに役立ちます。
NDLの資料は閲覧のみ可能で、借りることはできません。また、閉架式なので利用者が直接書庫に入ることができず、カウンタでに請求用紙を出して出納してもらう必要があります。複写（コピー）も申請式です。半日～1日の時間と手間をかけてでもコピーを入手したいという資料がある場合にのみ訪問利用することになります。
テーマによっては、専門図書館、史料館、博物館、美術館、記念館などの機関を利用することで、一般の図書館やネットでは入手できない貴重なソースを入手できる可能性があります。ただし、これらの機関は比較的小規模でサーチシステムもなく、開館時間や利用資格/手続などに制限のあるケースが多いので事前に利用条件を問い合わせて確認することをお勧めします。これらの専門機関をもっとも網羅的に掲載しているのは『専門情報機関総覧』（専門図書館協議会）です。東京国立近代美術館・フィルムセンター、大宅壮一文庫、JAXA本社図書館、教科書図書館、東京都公文書館、現代マンガ図書館、静嘉堂文庫… 他にもいろんな専門分野に特化した資料館・図書館がリストアップされています。
ICUのOPACやそのほかの図書館の検索サイトは図書や雑誌の検索には役立ちますが、雑誌や新聞の記事や論文までは探すことはできません。オンラインデータベースを使えば様々な分野の記事論文を検索できます。
国内外の多くのベンダー（業者）が、データベースを契約販売しており、ICUでも豊富なラインアップをそろえています。それぞれのデータベースに含まれる記事の数と種別、分野や検索方法は異なりますので、探しているテーマ、トピックにあったデータベースをお使いください。ここでは代表的な複合データベースをご紹介します。
ProQuestは、
EBSCOhostは、
ICU Discoveryは、ICU OPAC、ICU契約データベースなど、ICU図書館として利用可能な情報源を（資料の形態を超えて）網羅的に横断検索できる検索システムです。学内提供サービス以外のweb上のあらゆる情報源も含めると9億件以上のデータが検索対象となります。
検索対象データが多いため、データの形態・メディアソースの種類・本文の有無・発行年月日・学術分野などから結果を絞り込むことで目的とするデータを探し出します。
特定のツールを使った検索ではありません。学術書や学術論文には章末・巻末に参考文献リストを付すことがルールになっています。これはこの本・論文を書くにあたって著者が参考にした文献のリストですから、これらを次から次へとたどっていくことで類似テーマの文献を見つけられます。紙媒体資料でもオンライン資料でも常にこの芋づる式を意識して情報を探索すると、楽に関連情報を得られることが多いです。同じ著者の書いた別の著作を探してみるのもいい方法です。これと似たことが事典類（特に洋書）にも言えます。各章の終わりにSuggested Readings, Referencesなどから関連文献が得られるので、使ってみてください。
図書・論文の件名(subject)とは、その本・論文・記事が「何について書かれたものか」を表すものです。これを有効に使うことでより多くの資料を探せることがあります。たとえば、論文の書き方に関する本を探すためにOPACを使うとき、検索項目を[すべての項目から]のまま「論文 書き方」というキーワードで検索すると142件ヒットします。しかし、検索項目を[件名]に変えて「論文作法」というキーワードで検索すると333件がヒットします。どういうことでしょうか
実は1冊1冊の本のデータには「タイトル」「著者名」などとともに「件名」という項目が設定されています。本自体には書かれていないのですが、この本がいったい何について書かれているのか、その主題・テーマをあらかじめ定められた語句で表すものです。論文の書き方について書かれた本のタイトルに必ずしも「論文」「書き方」ということばが使われてはいません。しかしこれら333冊の本のデータの件名項目には「論文作法」という語が登録されているのです。
件名には、類似した分野についてあらかじめ定められた語句（統制語）が使われます。上の例でいうと、これらの本の内容を表すのに「論文作成法」「論文執筆法」といった別の表現も考えられます。しかし件名のルールとしてそれらは使われず、全て「論文作法」に統一されています。
したがって件名検索をうまく行うには、まずは思いつく言葉で[すべての項目から]で検索を行い、その結果得られた1冊ずつの本の詳細画面を開いて、件名リンクをクリックするとよいでしょう。「トピック」「デスクリプタ」など呼び名は違っても件名の仕組みは、和書洋書、雑誌記事論文を問わず広く使用されています。これも芋づる式検索の一つとも言えます。ぜひ活用してください。
国際基督教大学図書館 〒181-8585 東京都三鷹市大沢3-10-2 TEL: 0422-33-3668 FAX: 0422-33-3669 Email: libraryここにアットマークicu.ac.jp
Copyright (C) International Christian University Library. All rights reserved.