モーリス E. トロイヤー特設ページ
モーリス E. トロイヤーについて
モーリス E. トロイヤー(1903年8月24日-1997年12月19日)は、アメリカ合衆国イリノイ州生まれの教育者。ブラフトン大学卒業後、オハイオ州立大学でPhD取得。教育学の教授としてシラキュース大学で教鞭をとる傍ら同大学の教育評価センター所長、アメリカ教育審議会教員養成委員会委員などを務める。1949年、本格化していた日本でのキリスト教大学設立計画の中心的役割を担う教育専門家として抜擢され、ラルフ E. ディッフェンドルファー後援会事務局長とともに国際基督教大学設立のため両輪となって同計画を推進した。ICU設立後は初代学務副学長、心理学教授、理事、評議員などを歴任し、ICUの教育と研究の枠組みを築いた。視野の広いリベラルな人格者として知られ、先入観を持たずに、あらゆる人と公平な話し合いをすることを常とし、ICUファミリーの醸成にも寄与した。その教育信条は、規律よりも自律的秩序の確立を求めるもので、今日のICUの教育理念の一つの源泉となっている。
モーリス E. トロイヤー略歴
1903年8月24日 | アメリカ合衆国、イリノイ州マクリーンに生まれる |
1924年6月 | ブラフトン大学卒業 |
1935年6月 | オハイオ州立大学で博士号取得 |
1943年9月 | シラキュース大学教育学教授 |
1945年9月 | 同校教育評価センター所長 |
1940年から1943年 | アメリカ教育審議会教員養成委員会委員 |
1943年から1949年 | アメリカ公立学校、大学、その他教育機関の評価問題に関する顧問 |
1949年 | 国際基督教大学建設委員としてラルフ・ディッフェンドルファーとともに来日
|
1953年から1966年 | 国際基督教大学理事、学務副学長(1953年から1962年まで)、教育心理学教授(1960年から1966年まで) |
1966年8月15日 | 帰国 |
1974年 | 心理学客員教授 |
1997年12月19日 | 死去 |
トロイヤー先生の人柄
モーリス・トロイヤーは優れた教育学の研究者であるとともに、プロジェクトを総括するファシリテーターとしての才覚に長けていました。また、ICUファミリーの一員、教育者として学生の教養と人間性の涵養のために献身的に働きました。理想実現の追求と現実の問題解決、一人一人の人間の思いを大切にする細やかな対応、これらすべてにおいてバランスの取れた逸材でした。創立期のICUにおける教学システムほか大学の骨格形成にもっとも影響を与えた人物のひとりです。
以下にトロイヤー先生に関する記事を抜粋して紹介します。
- 訃報(『ICU Gazette』 Vol.39 No.15 1998年1月22日より)
- トロイヤー先生ご夫妻との「出会い」(『半世紀遅れの Yearbook』より)
- 親代わりのトロイヤー夫妻(『ICU 3期生 卒業後 50 年の歩み』より)
- ミセストロイヤーの料理教室(『ICU Gazette』 Vol.40 No.8 1998年9月17日より)
スライドショー・動画
ICU Gazette トロイヤー追悼号(1998年6月30日)
目次
メモリアルサービス
- 式次第
- トロイヤー夫妻略歴
- 式辞:古屋安雄
- 追悼:長(武田)清子
- 追悼:都留春夫
- 追悼:土橋信男
- 追悼:斎藤和明
- 返答:デイヴィッド・A・トロイヤー
お茶会
- スピーチ:原一雄
- スピーチ:B・C・デューク
- 写真展
トロイヤー回想録
来日からICU創立、学務副学長・教授として関わった初期ICUの成立過程、大学の教学と運営ほか多岐にわたる情報を提供してくれる回想録です("Planning a New University in Japan 1949-1966"の和訳)。
トロイヤー記念アーツ・サイエンス館について
2022年に竣工した大学新館は「トロイヤー記念アーツ・サイエンス館」と名づけられました。大学本館に隣接した建物に、理学館から自然科学系の研究・実験室、教室が移動。大教室や共有スペースも設けられICUの文理融合の実現の場として活用されています。