群馬県利根郡清水越の麓湯檜曽

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[説明]
1924年(大正十三年)八月十八日(日) 於市内青山会館 先生の日記より 少しく山に親まんとて、或る若き友に伴はれて群馬県利根郡清水越の麓湯檜曽を指して出発した。渋川より沼田まで、利根川の両岸を縫うて汽車の走る所は爽快であった。沼田より目的地までの乗合自動車は決して快いものではなかった。
湯檜曽は明治二十一年余が新潟なる旧北越学館仮教頭として招かれて赴任する当時一泊した所である。今は昔の跡なく、只豊富なる藻泉の至る所に湧出するのみである。山は深く、風は涼しく、遠路を冒して来る甲斐のある所である。